日本列島各所に発生する数年おきの大地震、毎年の台風被害、さらにここ数年の異常気象で、日本国内のどこかで停電が無い期間は珍しくなくなりました。つい先日も南海トラフ地震の「巨大地震注意」が発表されたばかりです。
停電に備えるためには、防災用品を自分で備える必要があり、公共機関やメディアに登場する専門家からは
「3日分」の衣食住に関わる備えは欠かせないと発表されています。
衣食住の中でも、現代の暮らしで特に欠かせないものは「電気」ではないでしょうか?
今回はキャンプブームで注目されるようになったポータブル電源と蓄電池についてまとめてみます。
3日間の電気がない暮らし
地震・台風・ゲリラ豪雨と災害大国の日本では、一度停電が起こると数日から数週間にわたって停電が起こることも珍しくはありません。
こうして情報をお届けしている私も、数年前に地域の電力が全て途絶える大規模停電「ブラックアウト」を経験しました。
現代の住宅設備はほとんどが電力を必要としています。携帯電話の充電、照明や家電はもちろん給湯器や冷暖房が使えない暮らしが3日間続きました。
アウトドア用品は防災用品にもなる
大規模停電を経験した私の趣味は、幸いにもアウトドアでした。
照明の代わりにアウトドア用のランタン、スマホの充電にはモバイルバッテリー、調理にはカセットコンロやキャンプ用のガスバーナーを活用し、3日間の衣食住に困ることなく過ごすことができました。
しかし、ご近所の中には、配布されたロウソクで夜を過ごした人、スマホの充電が切れて情報が途絶えた人もいました。カセットコンロやガスバーナーを持っていない人は、レトルトの食品を常温のまま食べたり、カップ麺を水だけで戻し食事を済ませていた人もいます。
アウトドア用品が家に有るか無いかの差は、防災用品が有るか無いかと同じなのだと認識することができたわけです。
ポータブル電源と蓄電池の違い
容量と出力の違い
防災用品にもなるアウトドア用品の中でも、電源になるポータブル電源と蓄電池はとても大切なツールです。
ポータブル電源と蓄電池は、満タン状態の電力と大きさに違いがあります。
防災用品にもなるアウトドア用品のポータブル電源の容量は、一般的に1,000Wh以上とされており、この1,000Whという容量は、3日程度の自宅避難に最低限必要な電力とされています。
一方、蓄電池の容量は6,000〜8,000Whが一般的とされており、容量のみの比較では
蓄電池の方がポータブル電源の6倍以上も容量が大きいことになります。
蓄電池は出力が2,000W以上あるため、ポータブル電源では対応しきれない冷蔵庫や電子レンジをも動かすことができます。
大きさと設置場所の違い
ポータブル電源は、人気メーカーの商品を参考にした大きさで
[ およそ340mm x 262mm x 255mm、重さ およそ11.5kg ]
2リットルのペットボトル5本程度と、長時間でなければ持ち運べる大きさです。
一方の蓄電池は、国産メーカーの製品で
[ およそ700mm x 360mm x 605mm、重さ およそ60~170㎏ ]
屋内や敷地内に設置して利用します。
ポータブル電源と蓄電池のメリット・デメリット
ポータブル電源と蓄電池の特徴に触れたところで、それぞれのメリットとデメリットをまとめてみます。
ポータブル電源のメリット
・3日間程度の自宅避難に最低限必要な容量は確保可能
・長時間でなければ持ち運び可能
・ホームセンターや通販で購入できる
ポータブル電源のデメリット
・利用できる家電が限られる
・長期間の自宅避難には容量不足
蓄電池のメリット
・ポータブル電源の約6倍以上の容量
・ほとんどの家電を動かせる出力
・長期間の自宅避難にも対応可能
蓄電池のデメリット
・持ち運びはできない
・専門業者からの購入と設置が必要
災害時の電源はどのくらいの期間必要なのか?
設備故障による数日の停電への備え
停電の原因には、落雷や倒木で起こる配電盤や送電線の設備故障、台風や地震の影響で起こる鉄塔や電柱の倒壊、さらには発電所の停止などがあります。送電線の断線や配電盤など、小規模な設備故障であれば数時間で復旧していることを電力会社が公表しています。
一方で、台風や地震による鉄塔や電柱の倒壊では、復旧までに数日かかることは珍しくはありません。
大規模災害による発電所の停止では、原因によって具体的な見通しが立たないこともあります。
ブラックアウトとは?
特に発電所の停止や変電所そのものが大規模災害で被災すると、地域一帯の電力が全て途絶えるブラックアウトが起こることがあります。ブラックアウトと通常の停電の異なる点は、「地域一帯」が全て停電するため、電力のある地域への避難が困難なこと。
そして、「電力が全て途絶える」ため、家庭の電力はもちろん、電車などの交通機関、インターネットを含む通信手段が全て使えなくなり、文字通り現代の都市機能が停止してしまいます。
大規模震災で電源が必要な期間は……?
大規模停電が起こった際には、電力会社や自衛隊の電源車が駆けつけ、スマホの充電など電力の供給が行われてきました。
過去の災害では、電力が供給されるまで最低でも3日間必要と発表されています。その理由は、大規模災害の発生初期では、被害実態の把握と避難や救助活動が優先されるためです。
災害大国の日本国内で暮らしている以上、電気がない暮らしを最低でも3日間過ごす備えは欠かせないといえるでしょう。
長期間の防災には蓄電に加えて発電が必要
さらに、地震や台風による土砂崩れで暮らしている地域が孤立する場合、避難所の設備が不十分で自宅避難をする場合には、3日間以上電気がない暮らしをおくる必要があります。
真夏の関東や関西、冬の東北や北海道では冷暖房が使えなければ熱中症や低体温症で命が危険になることも起こりえます。
過去に北海道地方で起こったブラックアウトが真冬に起こった場合、数万人が低体温症で命の危機になっていたと仮定した報告もあります。
長期間の防災には、蓄電に加えて発電もできる設備が必要になるということになります。
アウトドア用のポータブル電源、防災用の蓄電池
3日程度のアウトドアや停電ならポータブル電源が便利
キャンプをされている方は、ランタンやカセットコンロがそのまま防災用品にもなります。
さらに、屋外でも電気が使えるポータブル電源を備えておくと、台風や地震などで停電が起こった際に電気が復旧するまでの3日間を安心して過ごすことができます。
自宅避難を踏まえた長期間の防災には蓄電池が安心
より防災用品として、地震や台風による土砂崩れなどの大規模災害に備える場合には蓄電池の方が安心と言えるでしょう。
特に夏期に酷暑を記録する地域や冬期の気温が氷点下を下回る地域では、冷暖房の電源にもなる蓄電池が必要でしょう。
ポータブル電源も蓄電池にも役立つ太陽光発電
ポータブル電源と蓄電池のどちらにも共通する点ですが、停電後は充電することができず
容量分の電力を使い切ってしまうと、電気が使えなくなってしまうため充電が必要です。
電力会社や自衛隊の電源車を待つばかりでは、心もとないでしょう。
幸いにも、太陽光発電の設備はポータブル電源にも蓄電池にも電力を蓄えることができます。
太陽光発電の設備はモバイルバッテリーの充電用のコンパクトなサイズから、備え付けで普段の家庭の電力にもなる設備までさまざまな規格の商品があります。太陽光発電を検討するのは、SDGsが広まる現代の価値観にも合った防災用品の選び方なのではないでしょうか。
集合住宅向けのポータブル電源、一戸建て向けの蓄電池
集合住宅で暮らす方にはコンパクトなポータブル電源
アウトドア用品と防災用品を兼ねたポータブル電源、本格的な防災用品でもあり普段の電力としても使える蓄電池。
どちらが良いのか迷う方は、住んでいる住宅で選んでみることも1つの選択肢です。
集合住宅で暮らしている場合は、ポータブル電源を選ぶ方がコストパフォーマンスに優れています。
蓄電池を設置する場合は屋内外での配線工事などがあり、管理組合の許可や、賃貸の場合はオーナーさんの許可も必要な場合があるでしょう。
また、契約している電力会社によっては太陽光発電を利用したお得なプランを受けられないこともあるようなので、蓄電池の導入よりも、ポータブル電源を備えておくことが無難な選択肢といえます。
一戸建てで暮らす方には大容量の蓄電池
一戸建暮らしの場合は、大規模災害の自宅避難も想定して蓄電池を選ぶことをおすすめします。
予算を抑えたい方は、防災用備えとして小型蓄電池タイプを選んで、屋内に設置しておくと安全です。
予算に余裕があり、長期的にみて電気料金を抑えたい方は、大容量の蓄電池を設置されてはいかがでしょう?
仮に長期間の停電が起こったとしても、今まで通りの電気の使い方に近い暮らしをおくれるはずです。
まとめ
ポータブル電源
・容量は小さいが3日間程度の停電に対応
・持ち運びができてキャンプに使える
蓄電池
・容量が大きく、長期間の避難生活に対応
・建物内や敷地に設置、日常時から家電も動かせる
どちらも太陽光発電のパネルと接続し、自然の力で電力を作ることができます。
これからの防災には、ポータブル電源や蓄電池を検討してみてはいかがでしょうか?
[ 本ページにはプロモーションが含まれています ]