二酸化炭素排出量の削減など、多くの企業や団体が環境保全活動に取り組んでいます。
大企業や公的団体では、SDGsが定められることも珍しくはなくなりました。
中でも、アウトドアブランドは環境保全活動の先を行く業界でもあります。
今回は環境保全に関する用語、アウトドアブランドが環境保全活動に取り組む理由と実践を掘り下げてお話をまとめます。
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アウトドアブランドや団体が環境保全に取り組む理由
自然と人が活動の場
日本国内の大手企業のほとんどと中小企業の3割程度は何かしらの環境保全活動に取り組んでいます。
中でも、キャンプ用品メーカーや登山用品メーカーなどアウトドアブランドは環境保全活動に積極的です。
企業の理念に自然との共存が掲げられるのはもちろん、森林や海岸の再生に携わり、再資源化や新素材を活用した環境負荷の低い製品を開発する努力を惜しみません。
アウトドアブランドが環境保全活動に積極的なのは、当然と言えば当然といえます。
自然というフィールドそのものが市場のアウトドアブランドにとって、環境問題で今ある自然が失われることは企業の存続そのものに影響します。
また、顧客としてアウトドアブランドの店舗を訪れると店員さんがアウトドアの上級者であることも少なくはありません。
企業の中に自然を愛する人が多いことも、アウトドアブランドが環境負荷の軽減に熱心な理由のひとつといえるでしょう。

環境保全の用語と使われる目的
環境保全に積極的なアウトドアブランドのお話の前に、用語の整理をしますね。
まずは、こちらのページのタイトルにもなっている環境保全とSDGsです。
環境保全
環境保護とほとんど同じ使われ方をしていますが細かな違いもあります。
環境保護の保護(英:preservation)には、「自然のまま守る」という意味があります。
山があるなら、周囲に立ち入り禁止のフェンスを設けて一帯の出入りを制限するという管理方法です。
一方の環境保全は、保全(英:conservation)とあるように「私たち人間の活動も含めて自然を管理する」といった考え方です。
先ほどの山の例では、里山や林業で資源を利用する一方、水質管理や元々そこにあった木々の植林を行うなど、人の手を加えての管理方法です。
ここ数年は、「社会的責任を負う環境保全活動」のように企業のスローガンなどでSDGsとともに使われる機会が多くなりました。
SDGs
持続可能な開発目標 (SDGs)は、2015年に定められてから世界共通の用語として使われています。
SDGsは17の目標で構成され、日本国内では「SDGsアクションプラン2020」で法整備が、行われています。
SDGsアクションプラン2020には、People(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8項目が定められ、中でもPlanet(地球)とProsperity(繁栄)の2つの項目には、再生可能エネルギーの利用やリサイクルなどの再資源化の数値目標が定められています。

環境保全活動の種類

製品の再資源化とリサイクル
アウトドアに関する製品を製造するアウトドアブランドは、自然そのものが市場でもあります。
自然の中で利用するために、資源を使いものづくりをする矛盾を抱えながら、環境保全への努力を惜しまない企業が多いことも事実です。
中でも、限りある資源をリサイクルし再資源化することは、原料になる自然素材、エネルギーとして利用する化石燃料や電力を減らし環境負荷を抑える効果があります。
生分解素材の活用
微生物の活動で分解され自然に返る生分解素材の利用も欠かせません。
アウトドアブランドの製品は、過酷な環境でも人の体を守る耐久性が欠かせません。
この耐久性は、「壊れにくい」という特徴のため自然の中では分解されにくい特徴もあります。
レインウェアからテントにまで幅広く使われる撥水剤の中でも、過フッ素化合物(PFCs,PFAS)は環境負荷が高く新しい素材への置き換わりが進んでいます。
自然とものを大切にする取り組み
リサイクルや生分解素材の活用以上にアウトドアブランドが力を入れて取り組むのは、環境保全活動です。
自然のフィールド調査のノウハウを活かしたSDGsの取り組みは、キャンプや登山に携わる企業ならではの強みもあります。

アウトドアブランドのSDGsの取り組み

再生可能エネルギーを活用する企業
Snow Peak
日本国内で人気の高いアウトドアブランドSnow Peakは、全国10カ所の主要拠点と直営キャンプフィールドの電力に再生可能エネルギーを利用しています。特に新潟県燕三条の生産拠点では、木質バイオマス発電の電力を使用することでCO2排出量がゼロのサスティナブルな製品が生み出されています。
patagonia
世界的なアウトドアブランドpatagoniaは、使用する電気を再生可能エネルギーから作られたものに切り替える「パワーシフト宣言」をスローガンに、火力発電に加え原子力発電を減らすためオフィスや店舗で利用する電力はもちろん、再生可能エネルギーの普及活動にも取り組んでいます。
社会貢献と環境保全に関わる企業
mont-bell
日本を代表するアウトドアブランドのモンベル(mont-bell)は、環境保全・子どもたちの体験・健康寿命の増進・防災・地域経済活性化・第一次産業・バリアフリーの7つのミッションに取り組んでいます。
フェールラーベン(Fjällräven)
アウトドア用品だけではなくファッションとしても人気のフェールラーベン(Fjällräven)は野生動物の保護活動に取り組んでいます。
メーカーのマスコットにもなっているホッキョクギツネは、気候変動の影響で生息数が減少しています。
フェールラーベンは、ストックホルムの専門家を中心としたチームを支援し、北欧地域から世界へ野生動物の保護活動を広めています。

サスティナブルな製品とサービスを開発する企業
モンベル(mont-bell)
環境保全活動を企業の使命としている登山用品メーカーのモンベル(mont-bell)は、撥水加工の改良にも取り組んでいます。
生地の表面を加工し雨を防ぐ撥水加工は、アウトドア用品になくてはならない機能です。
かつて主流で、2020年代でも使用されていることがある過フッ素化合物(PFCs,PFAS)は、自然環境や健康への悪影響が指摘されてきました。
環境負荷の規準の厳しい海外でも愛用者の多いモンベルは、自然素材を取り入れたことで、過フッ素化合物(PFCs,PFAS)を使わない新素材の製品を販売しています。
Ogawa
アウトドアブランドの撥水加工製品で過フッ素化合物(PFCs,PFAS)を使わない商品開発は盛んで、老舗テントメーカーのOgawaも有害物質を含まない撥水剤を2023年から使い始めています。

CAESU.
「地球に恩をかえす」をテーマにリサイクル素材・天然素材などを利用し、CO2排出量が少なく再資源化が見込める製品を販売している企業もあります。
地球に恩をかえすをテーマに活動するアウトドアブランドCAESU.は、リサイクルウールから作られたニット製品、金属の廃材を利用した焚き火台、間伐材で作られた木製のカトラリーなど環境負荷にいいことはもちろんですが、デザインや性能が優れている実用的なラインナップです。
KEEN
登山靴や冬靴が人気のアウトドアブランドKEENは、「地球に良い」をスローガンに環境負荷の低いシューズを販売しています。
KEENでは、過フッ素化合物(PFCs,PFAS)フリー、抗菌剤フリー、リサイクル、そして耐久性の高い製品づくりを続けています。
他のアウトドアブランドよりも力を入れている点は、ものとして長持ちする耐久性です。
アウトドアの中でも過酷な登山では、登山用品の耐久性は欠かせないものです。安全の面でももちろんてすが、耐久性が高いことで買い替えの頻度が減ることになります。
単純なことですが、ものを買う頻度を減らすことはCO2排出量、資源への影響、過フッ素化合物(PFCs,PFAS)の排出などの問題も解決できることなのです。

環境負荷の低い製品に欠かせない新技術
撥水加工の新技術
モンベル(mont-bell)のアウトドア製品でも取り入れられた撥水加工は、海外でも採用されている新技術です。
1940年代から現在まで、撥水加工には過フッ素化合物(PFCs,PFAS)が使われてきました。
PFAS(ピーファス)と呼ばれる物質は、人工的に作られたフッ素化合物でや油をはじく防水性と化学的に安定した耐久性から、防水スプレーやレインコートなどの衣類、フライパンのコーティング、食品の包み紙に幅広く利用されてきました。
耐久性の高さは、自然環境で分解されにくく土壌や水の中に残りやすい性質もあり「永遠の化学物質」と呼ばれることもあります。
PFASには、私たち生き物の体に悪影響があることも発表されています。
世界各地で行われた環境調査の中でも、日本国内のある地域の水道水に国際的な基準値を超える濃度のPFASが含まれていました。その地域の住民の血液検査をした結果、血液中のPFASの濃度も高い結果が出ており、健康問題への影響は私たちの間近に迫っています。
PFASには、環境調査で問題視されたC8と呼ばれる物質と、環境負荷の少ないC6と呼ばれる物質があります。日本国内では、2020年頃からC6への置き換えが進み、最新の撥水加工は生地そのものに合成樹脂を加え、洗濯で皮脂を落とし熱を加えることで撥水加工が回復する新素材が使われ始めています。

自然由来の素材と人工素材
「身の回りのものは、できるだけ自然由来のものを使いたい」
そう思われる方は、少なくはないはずです。
自然由来の素材は、健康や環境に優しいメリットがあります。
植物由来の素材バンブー(竹)や食用のトウモロコシの茎や皮から作られるコーンは、繊維の原料として衣類やテントに使われています。
植物や動物が生み出す自然由来の素材には限りがありますが
ここで人工素材に頼ってしまうのはリスクがあります。
人工素材は原料に化石燃料が使われることが多く、二酸化炭素の排出が問題視されています。
人工素材の使用を減らすためには、1つの製品を長く使える耐久性が重要になります。
ファッション性の高いアウトドアウェアを販売するTHE NORTH FACEは、防水性と高い通気性、そして劣化しにくい耐久性を備えたフューチャーライトと呼ばれる生地を採用しています。
フューチャーライトは、ポリウレタン繊維を織るのではなく、吹き重ねシート状にするため、繊維の間の隙間がナノレベルと発表されています。
また、同じような新素材にKLÄTTERMUSENが開発したクータン3レイヤーと呼ばれる生地もあり、こちらも「撥水剤いらず」と呼ばれるほど高性能の繊維素材です。

リサイクル
環境負荷の低いものや新素材の商品を選んだとしても「使って捨てる」=「資源を使い捨てにする」といえます。
アウトドアウェアを始め衣料品の新素材の中には、プラスチックや紙をリサイクルされた生地の活用も進んでいます。
国際的に問題視されている海洋プラスチックも、再利用される資源として注目されています。
GROUNDTRUTH社の開発した「海洋プラスチック由来の再生素材」は、従来のリサイクル繊維に比べ約40%も強度が高く、採用されたバックパックは極地から砂漠まで、過酷な環境にも耐えることができる高性能なものです。
環境負荷の低い製品の開発には
「悪影響のある物質を置き換える」
「耐久性が高い素材を開発する」
「資源をリサイクルする」
3つの視点が大切になります。

まとめ
自然というフィールドそのものが市場のアウトドアブランドでは、環境保全活動と環境負荷の低い製品開発が盛んです。
自然が市場でもあり、原料の調達先でもあるアウトドアブランドにとって、再資源化の取り組みを開発することも重要です。

アウトドアブランドのSDGsの取り組みは、次の3つに分けられます。
・再生可能エネルギーの活用
・社会貢献と環境保全活動
・サスティナブルな製品とサービス開発
特に世界的に注目されているのは、アウトドア製品に必須の撥水剤に使われる過フッ素化合物(PFCs,PFAS)が人体に及ぼす悪影響の問題です。
日本屈指のモンベル、Ogawaといったアウトドアブランドでは、PFAS(ピーファス)を使わない撥水加工の技術を開発し環境負荷の低い製品を展開しています。
他にも、「悪影響のある物質を置き換える」「耐久性が高い素材を開発する」「資源をリサイクルする」といった3つの視点で自然と人の活動が共存できる世の中を目指し、アウトドアブランドは企業努力を続けています。
本記事はプロモーションを含んでいます

・『資源エネルギー庁』
https://www.enecho.meti.go.jp
・スノーピーク
https://www.snowpeak.co.jp/news/p20210409-5
・YAMAP山守り基金
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000011352.html
・北海道庁
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/gxs/regeneration_energy_top.html
・CAESU
https://caesu.jp/?srsltid=AfmBOopJwTB3oXY04q75EJLkhOubZJLiMXy4dnDP0EwbnOGFeCqdspDX
・グリーングロワーズ
・モンベル
https://www.montbell.jp/sp
・KEEN
https://www.keenfootwear.jp
・Ogawa
https://www.campal.co.jp/news/2024/08/post-55.html
・フェルラーベン
https://fjallraven.jp/fjallraven3/about/sustainability

